オーケストラ・ソノーレ長野 公式ホームページ

過去の演奏会

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト/歌劇「後宮からの誘拐」KV384 序曲

Wolfgang Amadeus Mozart (1756-1791)
Die Entführung aus dem Serail, KV384, Ouvertüre

このオペラは1782年、モーツァルトが26歳のときに完成し初演されました。モーツァルトの五大オペラの1つに数えられ、その中では最も若いときの作品です。故郷ザルツブルグからウィーンへの移住、そしてコンスタンツェ・ヴェーバーとの結婚という、人生における大きな転換点があった時期にあたります。

このオペラの序曲は、当時流行したトルコの軍楽隊の音楽が印象的です。メフテルというこの軍楽は、独特の管楽器や打楽器を使用する勇壮なものです。モーツァルトはこれをピッコロ、大太鼓、シンバル、トライアングルを用いて表現しています。中間部は、序曲に続いて歌われるベルモンテのアリアを短調にしたもので、モーツァルトにしては珍しくオペラ本編の音楽が用いられています。曲の最後は次のアリアに切れ目なく続くため半終止で静かに終わってしまうのですが、この序曲を単独で演奏会に取り上げることができるよう、ヨハン・アンドレという人物が書き足した楽譜があり、本日はこの楽譜により演奏いたします。

̶あらすじ̶

舞台は18世紀のトルコ。スペイン貴族の娘コンスタンツェ(偶然にもモーツァルトの妻と同じ名前)は、トルコの太守セリムの後宮に囚われの身となっている。恋人のベルモンテは、召使ペドリロやコンスタンツェの侍女ブロンデの助けを借りて彼女を救出しようとするが、4人はあと一歩のところで後宮の門番オスミンに気付かれて捕まってしまう。セリムは彼らに死刑を言い渡すが、不当な仕打ちでは復讐の連鎖しか生まれないと考え直し、寛大な裁きで無罪放免し幕となる。余談だがこのストーリーを救出劇と見ると、タイトルに「誘拐」という文字があることに違和感を覚えるが、”Entführung”=誘拐は直訳であり正しい。これはセリム側からの視点で付けられたタイトルであると思われる。

(Y.H)

Copyright (C) 2013 - Orchestra Sonore Nagano.
All Rights Reserved.

inserted by FC2 system