オーケストラ・ソノーレ長野 公式ホームページ

過去の演奏会

G.プッチーニ/オペラ「ジャンニ・スキッキ」

Giacomo Puccini (1858-1924)
GIANNI SCHICCHI

作品ノート

登場人物

ジャンニ・スキッキ(50歳)
ラウレッタ(スキッキの娘・21歳)
ツィータ(ブオーゾの従妹・60歳)
リヌッチョ(ツィータの甥・24歳)
ゲラルド(ブオーゾの甥・40歳)
ネッラ(ゲラルドの妻・34歳)
ゲラルディーノ(ゲラルドの息子・7歳)
ベット(ブオーゾの義兄・年齢不詳)
シモーネ(ブオーゾの従弟・70歳)
マルコ(シモーネの息子・45歳)
チェスカ(マルコの妻・38歳)
スピネルロッチョ(医師)
アマンティオ・ディ・ニコラーイオ(公証人)
ピネルリーノ(靴屋)
グッチョ(染物屋)
ブオーゾ・ドナーティ(大富豪)

あらすじ

舞台はイタリアのフィレンツェ。先ほど息を引き取った金持ちの老人ブオーゾを取り囲んでいる親族たちは、嘆きながらも残された莫大な財産の行方が気がかり。「ブオーゾの財産はすべて修道院に寄贈されると遺言状に書かれている。」などという世間の噂を耳にした彼らは、躍起になって遺言状を探す。間もなく見つけた遺言状には噂どおり「遺産は全て修道院に寄贈する。」という文言。がっかりした一同は、どうにかならないものかと思案する。するとリヌッチョが、恋人ラウレッタの父であるジャンニ・スキッキに相談したらどうかと持ち掛ける。成り上がり者で悪知恵の働くスキッキの名が出てきたことで、一同眉をしかめる。そこでリヌッチョは「フィレンツェは花かおる木のようなものFirenze è come un albero fiorito)。芸術と美の都で、人を悪い感情で見るのはやめよう。」と説得する。

そこへジャンニ・スキッキが娘のラウレッタを連れてやってくる。ブオーゾの従妹であるツィータが、スキッキに向かって「持参金なしでは、お前の娘と私の甥を結婚させるわけにはいかない。」などと罵るので、スキッキは腹を立てて帰ろうとする。遺言状に対して知恵をもらいたい親族たちと、ラウレッタとの結婚を許してもらいたいリヌッチョは何とか彼を引き留めようとする。しかし、強固に拒否するスキッキ。そこでラウレッタが、「私の優しいお父様O mio babbino caro)、リヌッチョと結婚できないのならアルノ河に身投げしてしまうわ。」と訴えるので、スキッキは親族たちのために画策することにする。まず遺体を隠し、寝台を整えさせているとブオーゾの主治医がやってくる。するとスキッキがブオーゾの声色を真似て、うまく医者を追い返す。怪訝そうな顔の親族を前にスキッキは「公証人のところに急げSi corre dal notaio)」と命じ、自分がブオーゾになりきり、遺言状を新たに作るのだと説明する。親族たちはスキッキの思い付きに感心する。しかし、欲深い彼らは希望の遺産を口々に言い出し、中でも最大の財産である屋敷とロバ、シーニャの粉ひき場の権利をめぐって我も我もとわめき始める。結局、この3つの財産の行き先についてはスキッキに一任するということで決着し、親族たちは公証人を迎えるための準備を始める。ブオーゾに変装したスキッキは親族たちに、「さらばフィレンツェAddio, Firenze)」と歌い、遺言状を偽造したことが見つかれば、手を切断された上にフィレンツェから追放されるという法律があると警告する。

間もなく公証人が証人を伴ってやってきて、遺言状の作成が始まる。次々と財産が親族たちに割り振られ、彼らは喜ぶ。いよいよ最後に3つの重要な財産の件になり、一同固唾をのんで言葉を待つ。するとそれらは全てジャンニ・スキッキへ贈るとの言葉に親族たちは激怒する。しかしスキッキは、「さらばフェレンツェ」と歌って彼らを脅して黙らせたうえ、ツィータに公証人たちへの礼金を支払わせる。公証人たちが帰ったあと、親族の怒りが爆発するが、スキッキは彼らを追い出す。親族たちは腹立ちまぎれに屋敷の品物を手当たり次第に盗んで退散する。静かになった屋敷のテラスで、ラウレッタとリヌッチョがフィレンツェの街を眺めながら愛を語り合う。そこにやってきたスキッキが二人に微笑みかけた後、聴衆に向かい「今宵お楽しみ頂けたのなら、私のやり方をお許しいただきたい。」と口上を述べて幕となる。

(アミーチ デル ベルカント団員 Y.U)

Copyright (C) 2013 - Orchestra Sonore Nagano.
All Rights Reserved.

inserted by FC2 system