レオノーラは恋人アルヴァーロと駆け落ちをしようとしたその矢先、二人の結婚を反対する父に見つかってしまう。アルヴァーロは無抵抗の意思を示すため、持っていた銃を放り投げるが、それが暴発。不運にも父が亡くなってしまう。二人は運命のいたずらにおののきながら逃げるが、途中で離ればなれになってしまう。一方、レオノーラの兄は、父の敵を討つため、二人を捜している。何とか逃げ延びたレオノーラは、教会の神父の情けで洞穴へかくまってもらう。そして、アルヴァーロと会えぬまま5年が過ぎる。洞穴の中で苦悩の日々を送るレオノーラが、「神よ、平和を与えたまえ!(Pace, pace, mio Dio!)」と自分の不運を嘆き、死による安らぎを神に求めている。その時、外で物音が… 実は彼女が中にいるとは知らないアルヴァーロと兄が、洞穴の前で決闘。決闘の勝者となったアルヴァーロが、敗者の最期を見届けてもらおうと、洞穴の中に人を求めて入ってきた音だった。再会を喜び合う二人。しかしレオノーラは、最期の力を振り絞って振りかざした兄の剣に倒れる。レオノーラは、アルヴァーロに「天上で待ちます。」と言い残し、息を引き取る。
(アミーチ デル ベルカント団員 Y.U)