没落士族の娘蝶々さんは、芸者にまで身を落とすが、アメリカの海軍士官ピンカートンに見初められて結婚。しかし幸せな日々も束の間、ピンカートンはアメリカに帰ってしまう。間もなく可愛い息子が生まれ、彼女は彼の帰りを待っているが、何の音沙汰もないまま3年が過ぎる。周囲の誰もがピンカートンはもう帰らないだろうと思っている。彼女に忠実な女中のスズキも、彼の帰りを諦めるように進言するが、「ってくると言って頂戴」と懇願される。蝶々さんの言葉に同情して泣き伏すスズキ。そんなスズキに向かって、「ある晴れた日に(Un bel dì,vedremo)彼が帰って来る。きっと!」と、ピンカートンが帰ってくる日の光景を想像して語る。そしてついに、ピンカートンを乗せた船が蝶々さんの待つ家から見下ろす港に着く。しかし、彼は蝶々さんと元の生活に戻るためではなく、アメリカで結婚したという事実と息子を引き取りに来たことを告げにやってきたのだ。蝶々さんは、信じていた愛と最愛の息子の両方を失うことに絶望し、自ら命を絶つ。
(アミーチ デル ベルカント団員 Y.U)