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過去の演奏会

G.ヴェルディ/「シチリア島の夕べの祈り」序曲

Giuseppe Verdi (1813-1901)
I VESPRI SICILIANI “Sinfonia”

シチリア島の住民たちは、島を統治していたフランス人に反感を募らせていた。熱心な愛国者である島の若者アッリーゴは、フランス軍に殺された前シチリア王を兄にもつ公女エレナに想いを寄せている。そこへ独立運動の志士プロチダがやってきて、二人にフランス人への復讐を持ちかける。一方でアッリーゴは、フランス人でシチリア総督のモンフォルテから、実の親子であることを告げられる。フランス人への復讐心と親子の絆、そして恋人との約束という複雑な感情が絡み合う中で、アッリーゴはモンフォルテを父と認め従うことを選択し、エレナとの結婚が許される。アッリーゴに裏切られたプロチダは、二人の婚礼の最中にフランス人を襲撃することをエレナに告げる。何も知らないモンフォルテとアッリーゴ。婚礼の鐘は打ち鳴らされ、この夕べの鐘を合図としてシチリア人によるフランス人の殺戮が始まり幕となる。

このオペラは、1282年、当時フランスの統治下にあったシチリア王国の首都パレルモで起きた、住民暴動とフランス人虐殺事件を題材としている。 序曲は、単なるオペラの導入部という役割にとどまらず、独立した作品であるかのように感じられるほど、堂々とした作品である。序奏と、戦闘を思わせる激しい第1主題、そして叙情的な第2主題からなる。シチリア舞曲を思わせる序奏は、エレナによるフランス人への復讐心を歌い上げたアリアの旋律である。また、第2主題は、モンフォルテがアッリーゴに親子であることを告げる場面での二重唱の旋律に基づくものである。

(Y.H)

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