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ドニゼッティ/歌劇「愛の妙薬」 あらすじ

曲目解説

第1幕

幕が上がると、麦刈りの手を休めた村人が集う広場。地主の娘で美しいアディーナが、村人たちに読んで聞かせた本の中に出てくる“妙薬”の話に、ひそかに彼女に憧れるネモリーノは、そんな薬が本当にあったら…とため息をつきます。

そこへ軍曹ベルコーレが現れ、美しいアディーナに目をつけて早速口説きはじめます。アディーナのまんざらでもない様子に、ネモリーノは気が気ではありません。

人々が去った後、ネモリーノはアディーナを呼び止め、おずおずと愛の言葉を口にします。彼女は軽くあしらって立ち去りますが、内心では純粋な心を持つネモリーノを気にかけています。

ラッパの音と共に村の広場に薬売りのドゥルカマーラが現れ、村人たちに言葉巧みにニセ薬を売り付けます。ネモリーノに“愛の妙薬”はないかと尋ねられたドゥルカマーラは、安物のワインを、“妙薬”と偽って、これまた高値で売り付けます。

喜んだネモリーノは、ワインと知らず、早速それを飲み干します。酔っ払ったネモリーノはすっかり陽気になり、そこに現れたアディーナに強気な態度をとってしまいます。自分のプライドを傷つけられて激怒したアディーナは、ネモリーノにあてつけるつもりで、ベルコーレと今晩中に結婚式を挙げると宣言します。薬効を信じていたネモリーノは大慌て。村人たちはそんな彼を嘲笑しながら、今晩開かれる祝宴に胸を弾ませます。

第2幕

アディーナとベルコーレの婚礼の祝宴の場。婚礼に招かれたドゥルカマーラが、アディーナと二人で余興の歌を歌います。しかしその後、結婚証明書にサインをする段になって、アディーナはサインをするのを躊躇します。

村人たちが去った後、一人残っていたドゥルカマーラのもとに、ネモリーノがやってきます。何とかアディーナの愛を得ることができないかと相談されたドゥルカマーラは、“妙薬”をもう一瓶飲むようすすめます。しかしそれを買うお金がないネモリーノは、命を投げ出す覚悟でベルコーレの軍隊に入ることを決意します。契約書にサインして入隊金を受け取ったネモリーノは早速“妙薬”を買って飲み干します。

その頃、アディーナを除く村の女性たちは、ジャンネッタが持ち込んだ噂話に興奮しています。ネモリーノが莫大な遺産を相続することになったという話に、彼女たちは大金持ちになった彼の愛を得ようと、ネモリーノをちやほやします。何も知らない彼は、“妙薬”の効き目が現れてきたものと勘違いします。

そんな様子に驚くアディーナですが、ドゥルカマーラから、彼はアディーナの愛を手に入れるために命を投げ出す覚悟で軍隊に入ったことを聞かされます。彼女はネモリーノの深い愛情に思わず涙します。彼女の涙を目にしたネモリーノは、「ほんの一瞬でも彼女に愛されたなら死んでもいい」と熱い心を歌います。

そこへアディーナがやってきて、買い戻してきた彼の入隊契約書を渡します。しかし、愛の言葉を口にできないまま、この場から立ち去ろうとする彼女にネモリーノは、「愛されていないなら兵隊になって戦場で死ぬまでだ」と激しく言い切ります。アディーナはついにこらえ切れず愛を打ち明け、お互いの本当の気持ちを伝え合った二人はめでたく結ばれます。この様子を見た村人たちにドゥルカマーラは、「すべては私の“妙薬”の成せる業」と吹聴。人々に褒め称えられる中でドゥルカマーラは村を後にし、幕となります。

(アミーチ デル ベルカント団員 Y.U)

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