シュレーカーは20世紀初めに活躍したオーストリアの作曲家です。「遥かなる響き」(1912年)や「烙印を押された人々」(1912‐15年)などの歌劇で成功を収め、リヒャルト・シュトラウスと並ぶ人気を誇りました。しかしユダヤ人の血を引くシュレーカーは、ナチスによる迫害を受けたことも影響して、晩年はその人気も衰退し、失意のうちにこの世を去りました。現在では、彼の作品の再評価が進み、演奏や録音の機会も多くなっています。
シュレーカーの作風は、甘美な旋律と豊潤な管弦楽法を駆使した官能的なもので、ワーグナーのライト・モティーフの手法やドビュッシーの和声法など、多様な様式を折衷的に取り入れています。
本日演奏する舞踏劇「ロココ」は、1908年から1909年にかけて書かれた作品で、シュレーカー自身により次のようなシナリオが用意されています。
(CD「シュレーカー管弦楽・合唱曲集」, Brilliant Classics, M.マクドナルドによる解説より引用,拙訳) |