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過去の演奏会

シュレーカー/舞踏劇「ロココ」

Franz Schreker (1878-1934)
Ein Tanzspiel (Rokoko)
Ⅰ Sarabande
Ⅱ Menuett
Ⅲ Madrigal
Ⅳ Gavotte

シュレーカーは20世紀初めに活躍したオーストリアの作曲家です。「遥かなる響き」(1912年)や「烙印を押された人々」(1912‐15年)などの歌劇で成功を収め、リヒャルト・シュトラウスと並ぶ人気を誇りました。しかしユダヤ人の血を引くシュレーカーは、ナチスによる迫害を受けたことも影響して、晩年はその人気も衰退し、失意のうちにこの世を去りました。現在では、彼の作品の再評価が進み、演奏や録音の機会も多くなっています。

シュレーカーの作風は、甘美な旋律と豊潤な管弦楽法を駆使した官能的なもので、ワーグナーのライト・モティーフの手法やドビュッシーの和声法など、多様な様式を折衷的に取り入れています。

本日演奏する舞踏劇「ロココ」は、1908年から1909年にかけて書かれた作品で、シュレーカー自身により次のようなシナリオが用意されています。

第1曲「サラバンド」では、若い人々が春の庭を散歩し、何組かの男女は、目を合わせずに、ゆっくりとひそやかに踊っている。

続く第2曲「メヌエット」では、皆魔法にかかったように喜ばしくなる。しかし遠くから荒々しい呼び声が聞こえ、何か恐ろしいことが起こる前触れのように、若いカップルたちは地面に倒れ、眠り込む。

第3曲「マドリガル」では吟遊詩人が現れ、情熱的な歌で女たちを魅惑する。彼女たちは起き上がって吟遊詩人についていくが、男たちは眠り続ける。

最後の第4曲「ガヴォット」では、男たちが目覚めると女たちも戻るが、もはや内気さは消えている。カップルたちはガヴォットの優雅な調べに合わせ、官能的なダンスを踊る。

(CD「シュレーカー管弦楽・合唱曲集」, Brilliant Classics, M.マクドナルドによる解説より引用,拙訳)

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