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過去の演奏会

ストラヴィンスキー/小管弦楽のための組曲 第1番・第2番

Игорь Фёдорович Стравинский
Igor Fyodorovich Stravinsky (1882-1971)
Suites for small orchestra
No.1
Ⅰ Andante
Ⅱ Napolitana
Ⅲ Española
Ⅳ Balalaїka
No.2
Ⅰ Marche
Ⅱ Valse
Ⅲ Polka
Ⅳ Galop

ストラヴィンスキーは20世紀を代表するロシア出身の作曲家です。ストラヴィンスキーは時代と共に大きく作風を変えており、その創作時期は、ロシア革命の勃発によりフランスに亡命するまでの第一期(原始主義時代:世界的センセーションを巻き起こした「春の祭典」に見られるような、原始的生命力溢れる作風)、フランス在住時代の第二期(新古典主義時代:バロックや古典派の様式を模した簡素で擬古的な作風)、アメリカ合衆国へ移住・帰化後の第三期(セリー時代:当時の現代音楽の主流セリー技法を用いる)に分けられます。

本日演奏する小管弦楽のための組曲は、もともとはピアノ連弾のための作品、「5つのやさしい小品」(1914~15)と「3つのやさしい小品」(1916~17)として作曲されました。組曲第1番(1917~25)は、「5つのやさしい小品」のうちギャロップを除いた4曲、組曲第2番(1921)は、そのギャロップと「3つのやさしい小品」を合わせた4曲で構成されています。ちょうど第一期から第二期への移行期に書かれており、第一期の特徴である民俗的生命力が、第二期の新古典的な簡潔さの中に盛り込まれた、独特の魅力を持つ作品となっています。

組曲第1番は民族的な曲が集められています。第1曲「アンダンテ」はロシア民謡風の雰囲気を湛えた美しい曲で、序奏的な役割を持ちます。第2曲「ナポリターナ」はイタリアの舞曲「タランテラ」のリズムで始まり、中間部ではナポリ地方の民謡が聴かれます。第3曲「エスパニョーラ」はその名のとおり特徴的なリズムによるスペイン風舞曲。第4曲「バラライカ」は、ロシアやウクライナの代表的な民族楽器バラライカを模した弦楽器のオスティナート・リズムが印象的な曲です。

一転して組曲第2番では民族色はほとんど聞かれません。第1曲「行進曲」は2拍子と3拍子が交代しますが、伴奏のリズムと和音は始終変化しません。第2曲「ワルツ」は木管楽器とトランペットだけによる、オルゴールを思わせるワルツ。第3曲は「ポルカ」はとぼけた味わいが魅力。第4曲「ギャロップ」は、オッフェンバックの有名な「天国と地獄」のパロディのような主題で、賑やかに全曲を締めくくります。

(T.M)

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