ヨハン・シュトラウス二世は、ウィンナ・ワルツの基礎を築いた「ワルツの父」ヨハン・シュトラウス一世の長男として生まれました。彼は父のスタイルを更に洗練、発展させて数多くの魅惑的なワルツを生みだし、「ワルツ王」と呼ばれました。彼が生涯に作曲したワルツは「美しく青きドナウ」をはじめとして170曲にも及び、ワルツのほかにも、ポルカやその他の舞曲、「こうもり」や「ジプシー男爵」といったオペレッタなど、残した作品は全部で500を超えます。これらの曲は、ウィーン音楽の精華とみなされ、当時一大ブームを巻き起こしただけでなく、後の時代にも大きな影響を与えました。
本日演奏する「ハンガリー万歳」は、1869年3月にハンガリーの首都ブダペストの王宮舞踏会場で催された「ハンガリー自治2周年記念舞踏会」のために作曲されたもので、ハンガリー国民に献呈されています。ポルカには緩やかなフランス風ポルカと、速いシュネル・ポルカがありますが、この曲はシュネル・ポルカです。コーダではハンガリーの有名な民謡ラコッツィ行進曲が引用されています。
(T.M)