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過去の演奏会

川越 守/北海の幻想

Mamoru Kawagoe (1932- )
Northern Sea Fantasy

川越守は札幌で活躍する指揮者、作曲家です。1932年に札幌で生まれた川越は、北海道大学在学中に、戦後の混乱期にあった北海道大学交響楽団の再建に尽力し、復活演奏会以来、90回を超える定期演奏会をはじめとする全ての演奏会の指揮を行っています。1980年にはアマチュアオーケストラ、北海道交響楽団を設立、団長を経て、現在は音楽監督として指揮を務めています。作曲家としての活動は、1960年代から始められ、北大交響楽団の定期演奏会のために30年以上にわたって精力的に作品を書き続けており、その数は管弦楽曲だけで100曲以上にも及びます。自身で「民族主義の傾向で作曲を続けてきた」と述べるとおり、その日本的な情感は、川越節と呼ばれ親しまれています。

本日演奏する「北海の幻想」は、川越の代表作であり、1965年6月29日の北大交響楽団第29回定期演奏会のために作曲されました。川越作品の中でも特に人気が高く、1973年以後は北大交響楽団の夏期の演奏旅行でのレギュラー的な演奏曲目となっているほか、2000年秋には北海道交響楽団のヨーロッパ公演に際してアムステルダムとパリで演奏され、好評を博しました。

作曲者自身によるスコアの序文によれば、この作品は、「北海道民謡ソーラン節のモティーフをもとにして、海、舟、漁師、魚、などのイメージを表現したもの」であり、「時に荒々しく、時にやさしい北海の雄大な表情を音にした」ものです。また、オーケストレーションや曲の構成など、シベリウスと共通する点もみられます。

(T.M)

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