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バーバー/管弦楽のためのエッセイ 第1番

Samuel Barber (1910-1981)
First Essay for Orchestra, Op.12

バーバーは20世紀アメリカを代表する作曲家のひとりでフィラデルフィアのカーティス音楽学校で作曲・ピアノを学び、フリッツ・ライナーに指揮を習っています。卒業後イタリアに留学していますが、米国の同世代でパリに留学したコープランドやカーターなどとは違って、モダニズムや実験的姿勢に走らず和声法や楽式においてかなり伝統的な手法を用いています。彼の作品は「弦楽のためのアダージョ(弦楽四重奏曲第1番ロ短調第2楽章)」や「ヴァイオリン協奏曲」などにみられるように豊かで華麗な旋律が特徴的で、新ロマン主義音楽の作曲家とされています。

本日演奏するこの「エッセイ第1番」は、バーバーがトスカニーニに認められた縁でNBC交響楽団のために作曲し、1938年にニューヨークで初演されています。

冒頭から多声部の弦楽器による暗い死のムードに覆われたおごそかな哀歌は、熱を帯びるに従って金管が加わって頂点を築きます。突然雰囲気が変わると中間部で、生き生きした音型の繰り返しが続き、最後は再び冒頭のテーマに戻り、クライマックスに達したのち、ヴァイオリンのもの問いたげな応答を残して消え入ります。

(H.K)

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