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過去の演奏会

L.-E.ラーション/「冬物語」 Op.18 シェイクスピア劇のための4つのヴィネット

Lars-Erik Larsson (1908-86)
En vintersaga, Fyra vinjetter till Shakespeares, Op.18
The Winter’s Tale, four vignettes, Op.18
Ⅰ シチリアーナ Siciliana
Ⅱ 間奏曲 Intermezzo
Ⅲ パストラル Pastoral
Ⅳ エピローグ Epilog

ラーションは20世紀のスウェーデンを代表する国民的作曲家です。彼は後期ロマン派的国民主義や新古典主義的な作品から、十二音技法や多調を用いた前衛的な作品まで、幅広い作風を見せています。

「冬物語」は、スウェーデン国営放送がシェイクスピアの同名の戯曲をラジオ放送するために書かれた作品です。放送のための音楽は全部で22曲書かれましたが、1937年1月18日に番組が初めて放送された後、ラーションは4曲を選んで組曲としました。副題の“ヴィネット”というのは、「小品」というような意味です。

「冬物語」の冒頭はシチリア島が舞台となっており、組曲も牧歌的な「シチリアーナ」で始まります。シンプルなオーケストレーションで極めて広がりのある響きを出しており、ラーションの職人的な技術がうかがわれます。続く第2曲「間奏曲」と第3曲「パストラル」も、やはりシチリアの牧歌的な風景が思い起こされるような音楽。第4曲「エピローグ」は弦楽器のユニゾンによる主題が非常に感動的で、組曲の中でも特に人気があり、単独で演奏されることもあります。

これら4曲は、ラジオ・ドラマのためという目的もあってか、素朴で簡明に書かれており、非常に親しみやすい名曲となっています。ラーションの作品は、その人気の割に本国以外ではあまり演奏される機会がなく、この「冬物語」も、本日が日本初演となります。歴史的瞬間をお楽しみください。

(T.M)

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