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M.ラヴェル/逝ける王女のためのパヴァーヌ

Maurice Ravel (1875-1937)
Pavane pour une infante défunte

ラヴェルは、「ボレロ」やムソルグスキーの「展覧会の絵」のオーケストラ編曲で知られる、近代フランスを代表する作曲家であり、パリ音楽院でフォーレに師事しています。

「逝ける(亡き)王女のためのパヴァーヌ」は、音楽院在学中の1899年にピアノ独奏曲として作曲され、その後1910年に小編成のオーケストラのために編曲されました。ピアノ原曲の作曲当時、ラヴェルはエドモン・ド・ポリニャック公妃のサロンの常連となっており、原曲は公妃に献呈されています。

ラヴェル自身はこの曲について、「スペインの宮廷で小さな王女が踊ったかもしれない小曲」と語っています。一説には、その「小さな王女」のモデルは、スペイン・ハプスブルク家フェリペ四世の王女マルガリータとされ、ルーヴル美術館に所蔵されているスペインの宮廷画家ベラスケスによる彼女の肖像画からインスピレーションを得て作曲されたと言われています。マルガリータは14歳でウィーンのハプスブルク家に嫁いだ後、22歳で夭逝しており、王女の夭逝を悼む気持ちを表した曲のようにも思えますが、ラヴェル自身はそれを否定し、「逝ける王女」は特定の人物を指すのではなく、フランス語の韻を踏む語感の良さから決めた、と述べています。

パヴァーヌは、スペインに起源を持ち、バロック期にヨーロッパで流行したゆったりとした宮廷舞曲で、格調高い舞曲の代表格とされていました。ラヴェルのこの作品も高貴な王女にふさわしい気品が漂い、中間部ではフランス音楽特有の焦燥感も強く感じられます。管弦楽版では、特に冒頭のホルンのソロが有名で、聴き所となっています。

(T.M)

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