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過去の演奏会

フーサ/弦楽のための4つの小品

Karel Husa (1921- )
Vier kleine Stücke für Streichorchester
第1曲 変奏曲 Variazioni
第2曲 ノットゥルノ Notturno
第3曲 フリアント Furiant
第4曲 コーダ Coda

フーサはチェコ出身で、プラハ音楽院とパリ音楽院で学んだ後に米国に移住した作曲家です。初期にはバルトークやオネゲルの影響が見られますが、米国への移住後は、より現代的で強烈な個性を持った作品を生み出しています。代表作としては、祖国チェコスロヴァキアの民主化運動がソ連の介入により軍事的に押しつぶされた「プラハの春」に対する怒りと悲しみから作曲された「1968年プラハのための音楽」があり、1969年には弦楽四重奏曲第3番でピュリツァー賞を受賞しました。フーサの作品は吹奏楽の世界ではしばしば取り上げられますので、耳にされた方もいらっしゃるかもしれません。

本日演奏する4つの小品は、米国へ移住した直後の1955年の作品で、スクール・オーケストラを想定して書かれた教育的作品です。アンサンブルを鍛えるために各パートが対等に扱われているので、演奏のしがいのある曲ですし、音楽的にも、民族的な要素に加えて不協和音や特殊奏法を用いた現代的な響きも聴かれ、とても聴き応えがあります。

第1曲「変奏曲」は、主題がカノン風に提示された後、「行進曲風」「ガヴォット風」「エレジー風」「シチリアーナ風」「舞曲風」に変奏され、フィナーレで主題が再現されて終わります。第2曲「ノットゥルノ」(夜想曲)はひっそりとした深い闇の中で様々な音が聞こえてくような、まさに「夜の音楽」です。第3曲「フリアント」はチェコの民族舞踊で、三拍子の速い踊りです。通常の三拍子とヘミオラ(三拍子2小節を二拍子3小節に分割)の頻繁な交代が特徴的です。第4曲「コーダ」は重厚な響きで全曲を締めくくります。

(T.M)

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