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過去の演奏会

J.C.バッハ/シンフォニア ニ長調 Op.18-3

Johann Christian Bach (1735-1782)
Sinfonia D-dur, Op.18-3
Ⅰ Allegro con spirito
Ⅱ Andante
Ⅲ Rondo. Presto

ヨハン・セバスティアン・バッハ(大バッハ)の末息子として生まれたヨハン・クリスティアン・バッハ(1735-82)は、若い頃から国際的な脚光を浴びた売れっ子作曲家であり、活躍した場所によって「ミラノのバッハ」、「ロンドンのバッハ」などと呼ばれました。彼の華麗で優美な音楽は当時の流行の先端を行くもので、W.A.モーツァルトにも非常に大きな影響を与えています。

作品18のシンフォニア集はクリスティアン・バッハのロンドン時代に当たる1772年から1777年くらいまでの間に書かれ、彼の作品の中でも最高傑作とされているものです。マンハイム楽派の影響とフランス趣味が色濃く見られ、また、全6曲のうち奇数番号の作品が2群のオーケストラのために書かれているのも大きな特徴となっていますが、これも当時パリで人気のあった協奏交響曲のスタイルからの影響とも考えられます。

本日演奏する第3番は、1772年にロンドンで上演され、1774年にはマンハイムでも演奏されたカンタータ「エンディミオーネ」の序曲として書かれたものです。第1楽章の冒頭では、付点リズムが特徴的な動機が、ユニゾンで力強く奏されます。第2楽章はノスタルジーに満ちた優雅なアンダンテで、この楽章だけ聴いてもクリスティアンがモーツァルトに与えた影響の大きさが窺えます。第3楽章は一転して活発なロンドで、前2楽章ではオーケストラ間の対比に重点が置かれていたのに対し、弦楽器と管楽器の対比が主になっています。

なお、本日の配置は、客席から見て左手が第1オーケストラ(管楽器はオーボエ、ホルン、ファゴット[一部第2オーケストラの役割もあり])、右手が第2オーケストラ(管楽器はフルートのみ)という並びになっています。華麗な掛け合いをはじめとする、左右に分かれた2群のオーケストラによる多彩な表現をお楽しみください。

(T.M)

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