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過去の演奏会

J.ハイドン/交響曲第41番 ハ長調 Hob.Ⅰ:41

Franz Joseph Haydn (1732-1809)
Symphonie Nr.41 in D-dur, Hob.Ⅰ:41
Ⅰ Vivace assai
Ⅱ Largo e cantabile
Ⅲ Scherzo (Allegro)
Ⅳ Finale (Allegretto)

この交響曲は1769年、ハイドンの「疾風怒濤期」と呼ばれる時期の作品です。「交響曲の父」と呼ばれるハイドンは生涯に100曲を超える交響曲を書きました。今日演奏される機会が多いのは「告別」「驚愕」「時計」といった親しみやすい愛称の付いたものばかりですが、愛称のない作品もそれらに劣らない素晴らしいものが揃っています。特に疾風怒濤期の作品には激しい感情表現が剥き出しになった劇的で強烈な印象を与える作品が多く、どちらかというと能天気なイメージの強いハイドンですが、そ のイメージが一面的なものに過ぎないことがよくわかります。

今日演奏する第41番は、まさに「疾風怒濤」で意外な展開を見せる両端楽章、華麗なフルートと弱音器をつけたヴァイオリンの独特な響きがチャーミングな第2楽章、優雅さと鄙びた感じを併せ持つ第3楽章のメヌエットなど、わくわくするようなハイドン・ワールドが繰り広げられます。

この交響曲、「わくわくする」ような曲ではありますが、演奏するのはとても大変です。第4楽章ではあまりの速さに悲鳴を上げる弦楽器と木管楽器(聞こえないかもしれませんが木管も弦と同じ大変なことをやっているのです)にティンパニ、トランペット、ホルンのリズム・セクションがびしびしと「鞭をくれ」(指揮者の表現による)ます。また、ホルンには超人的な高音から低音まで広い音域が要求され、特に第3楽章メヌエットのトリオでは、第1ホルン奏者は「これまでの人生における最高音」(本人談)にチャレンジします。もしかしたら聴いているお客様は「わくわく」どころか「はらはら」されるかもしれません。でも、そもそもクラシック音楽って、単にお上品できれいなだけのものではないと思います。たまにはこんなスリルも良いですよね。

(T.M)

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